摩訶とmono(1)

 

きっとマーメイドだったから、邪悪。

グラウンドを走り回って、泥を身体中に塗布して、墓参りに行きたい。私の人生は、祖父の家の古時計の中くらいのスケールで、とても熱い。

いつか着てみたいSheglitのワンピース、私が着たら魔女みたいかも。悲しみの方が映えるお洋服だから。冬はケープコートに身を包んで、そのまま家電量販店のベッドの上にいるね。

全身真っ黒の私、心霊スポットより彼らを肩に連れている。長ったらしい小説が嫌いな理由、体育館の音をサブスクリプションに登録した時の著作権みたいな気持ち。もっと馬鹿になって読んで。あなたは馬鹿になる方法を知っている。

 

 

 

 

摩訶とmono (2)

私はストライプのシャツが良く似合う、眼鏡のあの子が大人っぽくて魅力的だと思っていた。

ストライプの彼女は、いつも一人でいたものだから、私はてっきり、彼女を自分のモノにしたと思っていた。

初恋の記憶から考えると、私はずっとそうなのだと思う。誰からも見向きもされないような女の子が大好き。何が素敵って、私しかその存在に気がついていないところ。

彼女は自分に自信がないから、男の子たちと積極的に話すこともしないし、Instagramの投稿が、一昔前のピースサイン

オタク体質だから、私のことを大好きになってくれる。絵が上手だから、私の絵を描いてくれる。今度メイド服を着て欲しいだとか、チャイナ服が似合いそうだとか言ってくるところは気持ち悪いけど、気持ち悪いところも大好き。

そんなに着てほしいなら早く買ってくれば?って言えば、でも、ドン・キホーテヴィレッジヴァンガードにひとりで行くのはこわいって言う。

私と喧嘩になった時に、すぐに謝っちゃうところも大好き。私に嫌われたくなくて、必死に話合わせてくれるのも大好き。

突然メイクやファッションを研究しだすのも大好き。これまではちっとも興味なかったのに、私のお気に入りのブランド、くさい香水、慣れないネイル、階段を降りる時、私の手を借りなきゃいけない面倒な靴。

私が貴女の存在を隠していることや、他の女の子たちに馴れ馴れしくすること、本当はどう思っているの?って聞きたくて仕方ない